永上裕之のネタ帳

「メンズファッションプラス」、「非モテ+」と言うサイトを運営しています。日々、奮闘して頑張っております!

「競合サイトの真似だけでは、競合サイトを追い越せない!!」じゃぁ、どのように差別化を図るの?

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昨日書いた記事、

blog.egachan.net

の中で、私は、

「A/Bテストや分析を行い、最適化をしていくよりも、まずは、競合サイトでやっていて自社サイトでやっていない機能やサービスを実施していくべき、それらの施策をやりきったら、その後、A/Bテストや分析などの最適化に着手していくべき」

ということを書かせて頂きました。すると、コメントで、

・「競合サイトの真似だけでは、競合サイトを追い越せない」

・「競合他社サイトの分析だけでは不十分」

という意見をいただきました。

 

私としては、

1:競合他社の調査

2:競合他社でやっている機能やサービスで、自社サイトで必要なものは実施

3:その中でA/Bテストや分析を駆使しチューニングをしていく

というステップがいいと思っているのですが、「競合他社から参考にするだけは不十分!オリジナル性のあるアイディアや機能を入れていくべき!」という意見を沢山いただきました。

 今回は、この点に関して、あくまで私が説明下手なだけで、「私も意見は一緒なんです!ぜひ、仲間に入れてください!」というスタンスでエントリーを書かせていただければと思います。 

 

オリジナル性のある機能・サービス・分析手法って存在する?

私自身、14年間のwebサイト運営史の中で、他社サイトでやっていない独自機能などをいくつか発明してきたと自負しています。ただ一方で、インターネットの歴史がこんなにも長くなってくると、何かしらの模倣、または何かと何かを組み合わせただけではないか。と思ってきます。

アクセス解析も同様に、「アナリティクスのこういうセグメントで、こういう見方をすると、大手もやってない凄いデータが見れる!」みたいなのを思いつき、自分の必殺技として大事に隠し持っていたりもしますが、たぶん違うアプローチで同じ値はとれたり、本当に大事なKPIなのであれば、アナリティクス自体が進化することで1クリックでいずれ見れるようになると思います。

そんな経験をもとに、私自身はサイトの改善において「機能」「サービス」「分析手法」などのオリジナル性の重要性は減ってきているのではないかと思っています。

むしろ現在は、オリジナル性を競うのではなく、過去の歴史で蓄積されたナレッジを如何に的確に、適切に、スピーディに実施していくかの戦いなのかと思っております。(ただし、アプリやゲームなど歴史が浅いものは別だと思います。もちろん、私が知らないだけで、この業界もある程度、王道パターンはできてきているのかもですが。)

競合他社の機能やサービスの具体例

ただし、こういった話になると、業種やサイトの属性、担当者の立場、サービスのゴールなどによって話が咬み合って来なくなるので、具体的に私が運営していたサイトを例に出させて頂きます。

・ECサイト → 例)メンズファッションプラス

・SNS → 例)非モテ+

・BtoBの法人向けサイト

などを仕事としては、主にやってまいりました。

自社サイトも、受託開発も、コンサルティングと様々な立場で経験してきたのですが、例えばですが、

・ECサイト → amazon

・SNS → facebook

・BtoBの法人向けサイト → 上場企業のインバウンドサイト

などを例に上げたときに、もはや競合他社と呼んでいいのかわからないのですが、各ジャンル毎に王者はいるわけで、そのサイトでやっている便利な機能やサービスを本当にやれているのか。と考えると、「ウチで必要なことは全てやれている」と言い切れるまでは、まだA/Bテストや分析に着手するのは早いのかなぁ。。と、そんな感じで考えています。

大手サイトの後を追っているだけで、追い越すことは未来永劫無理ではないか!

王者のサイトを模倣しているだけでは確かに、追い越すことはできないですが、実は模倣しているのは「戦術」だけだったりします。

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 (ピラミッドで書くのがいいかわかりませんが)webサービスを運営する上で、私は上記の4点を非常に大事にし、1番上から項目が降りてくるように考えています。

 

具体例としてはメンズファッションプラスに関しても、戦術部分は確かに「amazon」と同じかもしれません。しかし、「理念」「戦略」「KPI」の部分で、おのずと他社と違いが生まれてきます。

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※上記はあくまで一例ですので、実際の現場では都度変化しています。

 

このように、理念、戦略、KPI設定がまったく違うため、全く同じ「ECサイト」というものをやっていても、機能やサービス、分析手法において、オリジナル性を追求しなくても、同じ機能やサービスであっても、まったく違うものがアウトプットされていくということ風に考えております。

 つまり、この1/4(25%)の要素の「オリジナル性」についてのみ触れることで、「完全な模倣では追いつけない!」という話になっているのが、食い違っていたポイントなのかなと思ったりしています。説明不足な点、反省しております。

 

また、あくまで、この図は戦術がwebサービスの具体的施策のみですが、「組織編成」「採用・人事」「予算」「場所」など様々な要素があり、当ブログはwebディレクターに紐づくテーマですが、例えば「人事や採用」というテーマだけで1つのブログが成立するぐらい、1つごとに深い分野です。

そういう意味では、サービスを構成する要素の中で、戦術部分というのは「オリジナル性」を構成する上ではセンターピンには成り得ないのかなと思っています。

 「では、戦術部分では競合他社との差が生まれないため、疎かにしていいのか。」

ただ、「オリジナル性」から少し離れた議論として、「では、戦術部分では競合他社との差が生まれないため、疎かにしていいのか。」という話になりそうなのですが、これは私自身は、現場よりな立場として、むしろ、この考えがwebサービス運営においての1番の罠だと思っています。

なぜなら、私はwebサービス運営において、「戦術部分の実行力」は、ある意味では、サービスの発展の全てだとも言えるぐらい重要だと考えています。

ビジネスコンテストなどで完璧な理念や戦略を発表しても、戦術部分でwebサービス運用/改善のノウハウがなく失敗してしまうという例はよくビジネス書などでも書かれています。webサービスの特に運用/改善については、未経験者では、的確に、適切に、スピーディに施策を行なっていくのは途方もなく難しい作業です。webサービス開発、運用は未経験だけど、「こういうの作ったら世界変わる!」という理念や戦略が先行し、お金をいくら投資しても実現しなかった事例は多々あるので、如何に現場的なノウハウも大事であるかを物語っていると思います。

また、amazonの模倣をするといっても、レコメンド機能1つとっても、精度を追求するには、めちゃくちゃ難しいと思います。そういった、各論を当ブログでは、ガンガン書いていければと思っています!

 

そんなわけで、凄く長くなってしまいましたが、よく後輩とかに「そこは時間を掛けずに、模倣でいいんじゃないかな。」というと、「オリジナル性が大事なんです!」と議論になり、何故か咬み合わないなぁ。。と思っていたので、そういった議論の際に、自分の言いたいことを整理できてなかったので、今回図でまとめることで、非常に自分なりにスッキリしました。

この説明が私の全ての考えですので、ぜひこの上で、ご意見をいただけると非常に嬉しいです!よろしくお願いします。