売上比率『スマホが☓☓%突破』という情報では不十分!さらに分析を掘りさげていこう!
色々な会社さんの決算報告などを見ていると、『スマホ』の収穫期に入った!というような傾向があるようです。 今までは、『スマホ対応』にコストを掛け、対応をしても、ユーザー数が少なかったため損益分岐点に達していなかったのですが、ユーザー数が増え、またユーザーがスマホに慣れてきたため、今までの先行投資分の回収時期に入ったということです。
スマホ対応していないサイトが大半だった時期
私も2年以上前から会社で、アプリはやっておりませんでしたが、ブラウザの『スマホ対応のサイト制作』の受託開発を行っており、スマホ対応のサイト作りを頑張ってきました。 制作していたサイトは、コーポレートサイトやメディアサイトやECサイトなどでしたが、色々テクニック的な話はあるものの、ある程度、ノウハウはコモディティ化され、スマホ対応サイトのサイトを制作することの難易度は非常に下がり、誰でも対応をしてきていると思います。
ちょっと前の話ですと、ECサイトにおいては大手ASPがスマホ対応していなかったため、それだけでアドバンテージがとれましたが、今では対応が当たり前となっていると思います。
その為、「スマホの時代がきた!!!これからはスマホだ!」と言われても、「え?うちは、スマホ対応してますよ?」と私自身も一瞬思ってしまうのですが、それでは、95年ごろの
「インターネットの時代が来る!」→「え?HP持ってるから、完璧ですよ!」
と言っているのと同じ流れなので、スマホ時代の波に乗り遅れないように自分なりに何をすればいいのか、整理してみたいと思います。
スマホの時代が来た!では、どうすれば?
とは書いたものの、たぶん、超大手メディアのディレクターとかでないと知りえない数値や検証データもあると思いますので、私自身も相当手探り状態というのが正直なところです。
しかし、基本はAnalyticsなどの数値をもとにデータと向き合えば、『自分のサイトに最適な設定』は導き出せると信じていますので、その手法を書き出していきたいと思います。
スマホユーザーのアクセス解析
1: まずは、Analyticsにおいて、アドバンスセグメントにおいて、「タブレットとPCのトラフクィック」と「モバイルトラフック」の2つにチェックを入れPC(+タブレット)とスマホ(モバイル)のアクセスを分析します。
※アドバンスセグメントからタブレットを外して分析することも可能ですので、設定はお好みで。
2: タイトルにもありますが、よくニュースなどで目にする「スマホ売上が☓☓%突破」というのは、実は分母が見えないデータなので、データとしては不十分かと思っております。
例えば、購入に至った流入の80%がリスティングで、リスティングは100%スマホだけに出稿していたらそれは、スマホの売上が多いのは当たり前なわけで、もう少し分解した方がデータとしては正しいと思います。
具体的には、
売上 = 訪問数(ユーザー数 ☓ 平均訪問回数) ☓ コンバージョン率 ☓ 平均単価
という風に売上を分解し、さらに、流入元媒体別の売上を見るといいと思っております。
1:スマホ ☓ 流入元媒体:媒体A → 訪問数(ユーザー数 ☓ 平均訪問回数) ☓ コンバージョン率 ☓ 平均単価
2:スマホ ☓ 流入元媒体:媒体B → 訪問数(ユーザー数 ☓ 平均訪問回数) ☓ コンバージョン率 ☓ 平均単価
3:スマホ ☓ 流入元媒体:媒体C → 訪問数(ユーザー数 ☓ 平均訪問回数) ☓ コンバージョン率 ☓ 平均単価
4:PC・タブレット ☓ 流入元媒体:媒体A → 訪問数(ユーザー数 ☓ 平均訪問回数) ☓ コンバージョン率 ☓ 平均単価
5:PC・タブレット ☓ 流入元媒体:媒体B → 訪問数(ユーザー数 ☓ 平均訪問回数) ☓ コンバージョン率 ☓ 平均単価
6:PC・タブレット ☓ 流入元媒体:媒体C → 訪問数(ユーザー数 ☓ 平均訪問回数) ☓ コンバージョン率 ☓ 平均単価
という形で、数値を見ていくといいなという感じです。
※「流入元媒体:媒体」というのは、「検索エンジン」「リスティング」「メルマガ」とかそういった単位です。
※流入元媒体別の売上は、アトリビューションのモデル比較ツールにて、終点と起点の差額を把握しておくと理想。
上記をデータをもとに、
・スマホの流入数は多いのか
・スマホの平均訪問回数はPCと比べて多いのか否か
・上記の1~6でコンバージョン率、平均単価、売上全体が高いのはどの媒体か
などを分析し、それをもとに、
・(さらに掘り下げる必要がありますが)PCと比べ、コンバージョンの低いスマホページのライティングやUIの改善を行う
・コンバージョン率や平均単価が高い媒体にリソースや広告費を注力する
などを実施していくのかと思います。
ただ、PCとスマホではコンバージョン率の平均値が違います。その為、単純にPCとスマホでコンバージョン率の差があるからといって、スマホの完成度が低いとは限りません。
この辺りの、数値の相場的な平均値や肌感覚がまさに、大手メディアなどを運営していないとちょっとわからないなぁ。。というところです。
ばさっと、スマホにシフトするという選択
上記の数値で1つポイントなのが、PCとの比較を入れている点です。最近、色々な人と話をしていて気づいたことがありまして、
・グラデーション(数値比率)の変化を敏感に察知し、微調整し対策を打つタイプ
・グラデーション(数値比率)を気にせず、決断し、一気にシフトするタイプ
と、2タイプのディレクターがいるなぁ。と思っています。
PCとスマホのデバイス選択に関しての話ですが、私は前者でして、前者は、PCとスマホの移り変わりやコンバージョン率の比率を日々KPIをウォッチし、リソース配分を微調整していくタイプです。
逆に、後者は、これからはスマホだ!ガラケーやPCの開発はストップだ!というタイプの方もいて、個人的には後者の方のほうが大きく当たっているなぁ。。というのは思っております(笑)
(解析はあくまで、足元の最適化であり現場の仕事で、決断による一気なシフトチェンジは経営者の仕事な気もしますが。)
そんな訳で、上記のような解析を行う場合は、あくまでリソース分配の微調整を行うためという考え方もありますので、全てのサイトに必要なことではなく、スマホユーザーが増えることは今後も確実だと言われていますので、ぜひ色々と検討してもらえればと思います!
私も、スマホ最適化は、色々と模索していきます!