永上裕之のネタ帳

「メンズファッションプラス」、「非モテ+」と言うサイトを運営しています。日々、奮闘して頑張っております!

「webサービス」を目的と捉えるか、手段と捉えるかで、戦略が大きく変わってくる!?

先日、僭越ながら、人生初のECに関するセミナーでお話をさせてただきました。

その中で、「webサービス」を運営していた際のノウハウをネットショップ運営に活用してみてどうなったか。みたいな話を一部させていただきました。

その話の文脈でセミナーが終わった時に、「自社メディアをやっていたときは、順調だったんですか?」という質問がありました。一部、その場でご回答させていただいたのですが、語り尽くせなかったので、補足としてお話させていただければと思います。

「webサービス」は、「在庫もない」、「利益率もいい」

私が主に行っていたのは、SNS運営でした。結果から申しますと、SNS運営は上手くいきませんでした。

blog.livedoor.jp

でも当時、書いていたのですが、「やはりwebサービスでの、大成功は難しいなぁ・・・」という壁にブチ当たり、非常に悩む日々でした。

なぜ難しいのか。というメカニズムについては、

toyokeizai.net

にある、

――どうすればダメと見抜けるのでしょうか。

いろいろなパターンがある。分かりやすい例では、無料モデルでサービスを開始し、後から収益を考える事業がある。これが成立するとしたら、もうめちゃくちゃ流行ったときだけ。世界中の人、日本中の人が使っているというのに近しいぐらいになって、初めて広告モデルが成立したり課金したりできる。中途半端では存在していないも同然だが、そもそも企画段階から全人口を網羅できるようなサービスじゃないのに投資している。

 の通りだと思います。

もちろん、アドテクが進化しているので、以前よりもeCPMが上がってきているという状況もあると思いますが、「一定の規模がないと成り立たない。」というのは、例えば、

【1人でサイトを運営していて、月20万円の売上規模のサイト】
これを同じPVで、2倍の売上(eCPM)の40万円売上を目指そう!と思い、営業マンを1人採用したら、売上は20万円プラスになったが、販管費がそれ以上に増え、減益になった。

と、

【1人でサイトを運営していて、月100万円の売上規模のサイト】
これを同じPVで、2倍の売上(eCPM)の200万円売上を目指そう!と思い、営業マンを1人採用したら、売上は100万円プラスになり、販管費はそれ以下の金額で抑えられ、増益した。

という形で、上記は非常に単純な計算ですが、売上で5倍の差がありますが、媒体営業を行う際の販管費は【正比例して5倍】になるわけではないです。その為、後者のケースの方がスケールメリットが利いてきます。

これはSNS運営であれば、会員が1万人のサイトと、100万人のサイトであっても運営コストが100倍になるわけではないので、単純に会員が多いサイトの方がスケールメリットも利きやすく、規模が大きいほうが損益分岐点の達成が見えやすいです。

この話は、いわゆる「webサービスを運営するのは在庫もなく、利益率も高い。」とはいえ、固定費は売上に比例しないので、損益分岐点を超えるには限界利益が固定費を越えるまでの規模まで頑張らないといけない。

という話かと思っておりまして、この損益分岐点の話と、どんどん規模を大きくし成長していかないといけな。という両輪のバランスが上手くいかず、ビジネスとして上手くいかなかった。と整理しています。

ただ上手くいかなかった根源的な理由は、私の才能のなさだと思っています。なので、この話はあくまで相乗効果が働かなかった後付の理由というような話です。

「自社メディアにアクセスがあるから、自社で商品を作って売ったら売れるんじゃないか!」ということについて

別の話ですが、公演のあとに参加されていた方とお話をしていて、「自社メディアにアクセスがあるので何かを売ろうか考えている。」という話がありました。

実はこの話も私自身、かなり悩んだのですが、私なりの結論としては、

「訪問者のセグメントがかなり集約されていない限り、フリークエンシー(広告との接触頻度)の観点から少数の商品だけを扱うのは非効率。だから、ネットショップをやるなら、ネットショップだけに専念した方がいい。」

と、現時点では思っています。(海外だとメディアコマースとかが流行っているので、また考え方が変わるかもですが。)

簡単に言うと、自社のネットショップがamazon規模の商品取り扱い数があれば、自社メディに訪れる多種多様なユーザーに対して最適な広告をレコメンドできますが、片手間でネットショップをやっても、レコメンドすべき商品がない訪問者分のimpの機会損失が大きいので、自社メディアとネットショップの2つを運営する相乗効果が発生しづらい。と思っています。

また私も、ネットショップを始めるまでは、「ネットショップを始めること」の大変さを実感していませんでしたが、外からは見えない、色々なやることが多いので、そういう意味でも、「いくら自社商品を売ったほうが利益率がいい。とはいえ、時間的にもフリークエンシー的にも機会損失のデメリットの方が大きい。」のではないのかな。と思っています。

「webサービス」を目的と捉えるか、手段と捉えるかで、戦略が大きく変わってくる!?

このセミナーを通じで参加者の人とお話をさせていただいて面白かったのが、参加者の人の中で「web業界」の人は「どういうwebサービスやアプリがPVやユーザーを集められるか。」という地点から議論がスタートしていることが多いなと感じたことです。

逆に、「EC業界」の人は、「webサービス(この場合、オウンドメディア)は、広告出稿と比べて、費用対効果はどうなの?」みたいな観点でwebサービスを捉えていた印象がありました。

私も以前はそうだったのですが、どうしても「web業界の人」だと「webサービスありきの地点から会話がスタートし、webサービスが手段」になってしまう傾向にあるのかなと思いました。

逆に、EC業界の人はwebサービスを作る必然性はないため、もう少しマクロな視点で「webサービス」を捉えているのかなと思い、非常に勉強になりました。

私も、もっとEC業界を勉強していきたいと思います。

4月14日(火)の2時から、グランフロント大阪で登壇させていただきます!

最後、宣伝ですみません!上記は、東京での話だったのですが、次は大阪でもお話させていただきます。

www.future-shop.jp

東京では、友達や先輩が来ていたので、以前から誰かと議論したかった行動心理学的な根源的な話を主にさせていただいたのですが、大阪では、もう少し実践的な内容をお話できればと思っております!

具体的には、実際にセミナー参加者の方のネットショップをその場でスクリーンで一緒に見て、10分で10個改善案を私が提案し、参加者の人から私にダメ出しをもらう。とかできたら、いいな~と思っているのですが、もしそういうのOKな人がいましたら、ぜひ参加して欲しいです!(笑)

それでは、今から頑張って資料作りたいと思います!